初めて原付・2ストに乗る人が、最初に知ること。

難しい言葉を覚えるより先に、何を確認し、何をすればよいかを順番に見ていきます。

最初の1枚

まず、この6つだけ覚えてください。

保険自賠責の期限を切らさない。任意保険も別に備える。
2ストオイル「交換」ではなく「補充」。走れば減る。
オイル切れ2ストオイルを切らしたまま走らない。
乗る前タイヤ・ブレーキ・灯火など、車体の状態を見る。
身体と顔ヘルメットと服装で、頭だけでなく顔や身体も守る。
死角車から自分が見えていると思わない。死角に居続けない。
01

免許と交通ルール

原付免許で乗れる車両と、原付のルールを先に確認。

簡単に言うと:原付免許で乗れるかは「125cc以下か」だけでは決まりません。

なぜ:2025年4月1日から新基準原付が加わりましたが、50cc超125cc以下でも最高出力4.0kWを超える車両は原付免許の対象外です。

すること:買う前に、車両区分・排気量・最高出力を販売店や公式資料で確認します。

原付免許で乗れる一般原付

従来の50cc以下

または、50cc超125cc以下で最高出力4.0kW以下の「新基準原付」。

一般原付の基本ルール

  • 法定最高速度 30km/h
  • 必要な交差点では二段階右折
  • 二人乗りはしない

出典:警察庁「一般原動機付自転車の車両区分の見直しについて」/警察庁「原付一種に新たな区分基準が追加されます」

02

自賠責と任意保険

任意保険に入っていても、自賠責を切らしてはいけません。

簡単に言うと:自賠責は、公道を走る原付にも加入が必要な保険です。任意保険は、自賠責とは別に備える保険です。

なぜ:自賠責には有効期限があり、期限切れのまま運転できません。任意保険に入っていても、自賠責の代わりにはなりません。

すること:ナンバープレートのステッカーと保険証明書で期限を確認し、切れる前に更新します。

必ず確認自賠責保険・共済加入が義務。まず有効期限を切らさないことが必要です。
別に備える任意保険対人・対物など、自賠責だけでは足りない部分に備えます。内容は契約によって異なります。

ここは混同しない

任意保険があっても、自賠責の期限確認は必要です。

対人賠償は、自賠責保険等で支払われるべき金額を超える部分を補償するのが基本です。自賠責契約がない場合の示談交渉サービスの扱いも保険会社によって定めがあります。

出典:国土交通省「自賠責保険・共済に加入するには」/国土交通省「自賠責保険・共済の有効期限切れに注意」/三井住友海上「対人賠償保険」

03

任意保険を考えるとき

任意保険は、まず家の自動車保険を確認。

簡単に言うと:家に自動車保険があるなら、原付用の任意保険を新しく探す前にファミリーバイク特約を確認します。

なぜ:自動車保険の契約によっては、家族が原付を使うときの事故を補償する特約を付けられる場合があるからです。

すること:保険会社・代理店へ「この原付はファミリーバイク特約の対象ですか?」と確認すれば大丈夫です。

契約ごとに違うので、ここだけは確認

対象になる家族、対象車両、本人のケガの補償、補償の重複などは契約によって異なります。実際の適用可否・補償条件は、加入先の保険会社・代理店へ確認してください。

出典:損保ジャパン「ファミリーバイク特約」

04

2ストと4スト

一番大きな違いは、エンジンオイルの扱いです。

簡単に言うと:4ストはエンジンオイルを定期的に交換し、スーパーディオの2ストオイルは減った分を補充します。

なぜ:スーパーディオAF27・AF28の純正構成は、2ストオイルを別タンクからエンジンへ供給し、潤滑に使いながら消費する分離給油だからです。

すること:4ストの「交換」と、2ストの「補充」を同じものと思わず、2ストではオイル残量を見ます。

4スト

  1. エンジンオイルを入れる
  2. エンジン内部を循環する
  3. 使ううちに劣化する
  4. 古いオイルを抜いて交換

2スト・スーパーディオ

  1. 2ストオイルタンク
  2. オイルポンプからエンジンへ
  3. 潤滑に使われ、燃焼とともに消費
  4. 減るので補充
4スト交換/2スト補充

参考:Honda「エンジンオイルの役割」/Honda「Pro Honda 2サイクルエンジンオイル」

05

2ストオイル

2ストオイルを切らしたまま走らない。

簡単に言うと:2ストオイルは、エンジンを潤滑するために必要です。

なぜ:オイルがなくなると潤滑できず、摩擦や発熱でエンジンを傷めるおそれがあります。

すること:残量を確認し、減っていたら指定に合う2ストオイルを補充します。オイル系統を整備した直後は、供給状態も確認します。

オイルがあるオイルタンク↓オイルポンプ↓エンジンへ供給↓潤滑される
オイルがない供給できない↓潤滑不足↓摩擦・発熱↓エンジンを傷めるおそれ

ガソリンが入っていても、2ストオイルを切らした状態で走り続けないでください。

オイル系統を整備した直後

ホースやオイルポンプを触った後は、エア混入や供給状態を確認してから走ります。

AF27でオイルポンプ整備後に供給を確認した実車記録 →

06

入れるもの

ガソリン・2ストオイル・ギヤオイルを混同しない。

簡単に言うと:3つは名前に「油」が出てきても、役割も入れる場所も違います。

なぜ:ガソリンは燃料、2ストオイルはエンジン潤滑、最終減速ギヤオイルは駆動側のギヤ潤滑に使います。

すること:給油口やオイルタンクを思い込みで判断せず、車両の取扱い・整備資料に従います。

燃料

ガソリン

エンジンを動かす燃料。燃料タンクへ入れます。

潤滑

2ストオイル

エンジン潤滑に使われ、走行で減ります。純正分離給油では専用オイルタンクへ補充します。

駆動

最終減速ギヤオイル

駆動側のギヤを潤滑する別のオイル。2ストオイルのように走行ごとに消費するものではありません。

07

乗る前

古いバイクだからではなく、乗る前に状態を見る。

簡単に言うと:出発前に、止まる・曲がる・見えるための基本部分を見ます。

なぜ:走り出してから異常に気付くより、乗る前に見つけた方が安全に対応できます。

すること:タイヤ、ブレーキ、灯火、漏れや異音、燃料を確認し、2ストなら2ストオイル残量も見ます。

タイヤ空気圧・ひび・異物・摩耗
ブレーキいつもと違う感触がないか
灯火類ライト・ブレーキ灯・ウインカー
漏れ・異音いつもと違う状態がないか
燃料走れるだけ入っているか
2ストオイル2スト車なら残量も見る

参考:国土交通省「日常点検」

08

ヘルメット

ジェット型とフルフェイスは、顎を覆う構造が違います。

簡単に言うと:ジェット型は顎部分を帽体で覆いません。フルフェイス型は顎部分まで帽体が続きます。

なぜ:転倒時にどこが路面へ当たるかは選べないため、ヘルメット本体がどこまで身体を覆うかは大切な違いです。

すること:見た目だけで決めず、保護範囲、安全規格、頭に合うサイズ、あごひもの確実な装着まで確認します。

どちらを選んでも、事故でけがをしない保証はありません。

ここで見てほしいのは「形の違い」です。ジェット型とフルフェイス型では、帽体が顎まで続くかどうかが一目で違います。

参考:JAF「バイクのヘルメットはどんな点に気を付けて選べばいいですか?」/警察庁「二輪車の安全利用の促進」

09

服装

近所でも、肌を出しすぎない。

簡単に言うと:原付でも転倒すれば身体は路面に触れます。

なぜ:頭だけでなく、手・腕・脚・足もけがをする可能性があるからです。

すること:ヘルメット、グローブ、長袖、長ズボン、脱げにくい靴を基本にし、できればプロテクターも使います。

頭・顔適切なヘルメット
手グローブ
腕・上半身長袖・できればプロテクター
脚長ズボン
足脱げにくい靴。できればくるぶしまで覆うもの

参考:警察庁「二輪車の安全利用の促進」

10

車の死角

死角は「運転者から見えにくくなる場所」です。

簡単に言うと:車のまわりには、ミラーや目視でも二輪車を見落としやすくなる位置があります。

なぜ:原付は車体が小さく、車の横や斜め後ろに居続けると、相手がこちらを認識していないことがあります。大型車の左折では内側へ巻き込まれる事故もあります。

すること:「相手が見ているはず」と決めつけず、車の真横や斜め後ろに居続けない。大型車の左折時は内側へ入り続けないようにします。

参考:警察庁「二輪車の安全利用の促進」

11

交差点・雨

「自分が優先だから大丈夫」ではなく、相手が動くかもしれないと考える。

簡単に言うと:交差点では相手車両の動きを予測し、雨の日は急な操作を避けます。

なぜ:警察庁も、二輪車の事故では右折対直進などを挙げ、相手が動くかもしれないと予測する運転を案内しています。

すること:対向右折車・脇道からの車に余裕を持ち、雨では白線や金属部分などで急ブレーキ・急ハンドル・急加速を避けます。

交差点

  • 対向車が右折してくるかもしれない
  • 脇道や駐車場から車が出てくるかもしれない
  • ウインカーだけを信用し切らない

雨の日

  • 白線・マンホール・金属部分は慎重に
  • 急ブレーキ・急ハンドル・急加速を避ける
  • 晴れの日より余裕を持って止まる・曲がる

参考:警察庁「二輪車の安全利用の促進」

12

事故のとき

事故直後は、順番を思い出せれば動けます。

簡単に言うと:事故のときは、まず停止・安全確保・救護・警察への連絡です。

なぜ:その場を離れたり、続発事故を起こしたりしないためです。

すること:必要なら119番、警察へ110番し、その後に保険会社へ連絡して手続きを確認します。

1止まる・安全を確保

続発事故を防ぐため、安全な場所へ。

2けが人を救護

必要なら119番。できる範囲で救護します。

3警察へ連絡

110番し、事故を報告します。

4保険会社へ連絡

事故受付へ連絡し、その後の手続きを確認します。

小さな接触に見えても、その場だけで済ませて立ち去らない。

13

いつもと違う

おかしいと思ったら、無理して走らない。

簡単に言うと:いつもと違う感触・音・におい・漏れは、そのまま走り続ける理由にはなりません。

なぜ:原因が分からない状態で負荷を掛けると、故障や安全上の問題を大きくすることがあります。

すること:止めて状態を確認し、原因が分からなければ無理に走らせず整備へ回します。

ブレーキ効き方やレバーの感触が違う
タイヤ・ハンドルふらつく、変な振動がある
エンジン吹けない、失速する、異音がする
におい・漏れ焦げ臭い、燃料や油が漏れている

実車例

妻用のAF27は、譲ってもらった時に20km/hも出ませんでした。原因を確認し、マフラー交換で普通に走れる状態へ戻りました。

20km/hから復活した実車記録を読む →

最後の1枚

これだけは、忘れない。

  • 自賠責の期限を切らさない。任意保険も別に備える。
  • 家に自動車保険があるなら、ファミリーバイク特約を確認する。
  • 2ストオイルは補充する。切らしたまま走らない。
  • 乗る前に車体の状態を見る。
  • ヘルメットは顎まで覆う構造の違いも見て選ぶ。
  • 車の死角に入らない・居続けない。
  • 事故では停止・救護・警察連絡。その後に保険会社へ。

確認に使った資料

法律・保険制度・補償内容は改定されることがあります。免許・交通ルールは警察庁、自賠責は国土交通省、任意保険は加入先の最新案内・約款で確認してください。

よくある質問

原付免許なら125ccまで全部乗れますか?

いいえ。2025年4月1日から、従来の50cc以下に加え、50cc超125cc以下で最高出力4.0kW以下の「新基準原付」も原付免許で運転できます。125cc以下でも最高出力4.0kWを超える車両は対象外です。

任意保険に入っていれば、自賠責が切れていても大丈夫ですか?

大丈夫ではありません。自賠責は加入が義務で、有効期限があります。任意保険は自賠責の代わりではありません。自賠責の期限を必ず確認してください。

原付の任意保険は単独で契約するしかありませんか?

家の自動車保険にファミリーバイク特約を付けられる場合があります。対象者・対象車両・補償内容は契約で異なるため、加入中の保険会社や代理店へ確認してください。

2ストオイルは交換するのですか?

スーパーディオの純正の分離給油では、専用の2ストオイルをオイルタンクへ補充し、走行中に消費します。4ストのエンジンオイルのような定期交換とは仕組みが違います。

ジェットヘルメットとフルフェイスは何が違いますか?

帽体が覆う範囲が違います。ジェット型は顎部分を帽体で覆わず、フルフェイス型は顎部分まで帽体で覆います。安全規格と頭に合うサイズ、あごひもの確実な装着も確認してください。